“夢見る花”との出逢い
フワラーガーデン寺尾/長崎県
- 40品種以上のオリジナルスカビオサ 東に普賢岳、西に多良岳を望む雄大な雲仙の大地に、フラワーガーデン寺尾のハウスはあります。代表の寺尾祐輔さんは日本が誇るスカビオサの生産、そして育種(新品種開発)の第一人者です。
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- 自然まかせだから面白い花ができる
- 元々イチゴ農家だった経歴を持つ寺尾さん。約20年前にスカビオサの生産を始め、すぐにその魅力のトリコになったそう。新しい品種を作るための交配は綿棒やはけを使った手作業で行っていましたが、2019年からイチゴの栽培にヒントを得て交配用の蜂を使用するようになりました。
「蜂まかせなんで、何と何が交配しているか分からないんです。花の色もばらけるので、楽しいですよ」 -
- 花の選別こそ腕の見せ所
- 育種用のハウスに足を一歩踏み入れるとスパイシーでどこか懐かしい香りが漂います。まだ名前のない色とりどりのスカビオサが咲き誇るその光景は、まさに秘密の花園。蜂が交配したこれらの花の中から良いものだけをセレクトするのが、育種家の腕の見せ所です。
「基準は、花首が弱いもの、花粉が多いもの、色にばらつきがあるものはやめること」
咲いて、枯れてを繰り返す様子を観察し、3シーズンをクリアできれば新品種として出荷をスタートするそうです。 -
- ダリアにも負けない、育種の可能性を秘めた花
- 寺尾さんの圃場を見学すると、これからどんなスカビオサが生まれるのか、期待が高まります。そのことを伝えると、こんな返答が。
「まだまだこんなもんじゃないですよ。ダリアに負けない大輪のスカビオサだってできるんじゃないかな」
オリジナルカタログの表紙には「夢見る花との出逢い」の文字が躍ります。そのキャッチコピーの通り、ここは誰も見たことのない夢のスカビオサが生まれる場所。キラキラとした瞳で今後の展望を語る寺尾さんの挑戦と、これから登場する新しい花から、目が離せません。
2021.02.15 UP
秋から春に旬を迎えるスカビオサを知っていますか?ソフトな色としなやかな茎が可憐な趣をかもしだす、近年人気の花です。5mmほどの小さな花が丸く集まり、フリルのような愛らしい形を作っています。長崎県で高品質なスカビオサの育種と生産に取り組む、寺尾さんを訪ねました。
驚くことに、ここで栽培されているスカビオサはほとんど寺尾さん自身が生み出したオリジナル品種。「テラ」の名を冠する「テラシリーズ」、大輪系の「ラオゥシリーズ」、フリンジがかわいらしい「フリフリシリーズ」、花の中心から葉が飛び出した珍しい「チョンマゲシリーズ」など、大きさ形ともにさまざまです。現在は年間約40品種を出荷しています。
PRODUCER’S DATA
フラワーガーデン寺尾
(長崎県雲仙市)
約3000坪の圃場でスカビオサの他ラナンキュラス、エキナセア、ダリアなどを栽培。代表の寺尾祐輔さんは花のほかバイク、アウトドアをこよなく愛する。花屋Flower house soueire(フラワーハウススリール)を併設し、生産した花をアレンジや花束としても販売。