パステルカラーの可憐なスイートピーが生まれる場所

JA晴れの国岡山

店頭を彩る、色とりどりのスイートピー。花が生まれ育つ場所のことを知りたくて、産地・岡山県をたずねました。


たっぷりと陽を浴びて育つスイートピー
地中海生まれのスイートピー。日照時間が長く、年間降水量が少ない岡山県は「晴れの国」とも呼ばれ、美しいスイートピーを安定出荷しています。この岡山産スイートピーの9割を生産しているのが、倉敷市の船穂(ふなお)地区です。

非農家だからこその工夫がつまったハウス
車を降りてビニールハウスに近づくと、爽やかな香りがただよいます。うっとりと芳香を堪能していると、生産者の木下良一さんが笑顔で出迎えてくれました。元々ゴム会社で製品開発の仕事をしていた木下さん。2000年に農家に転身しました。通常の生産者が長年の経験や勘で培った暗黙知を全く持たない状態からのスタートだったと語ります。「水やりの量にしても『しっかりやる』と言われても、どれくらいなのかがわかりませんでした。だからこそ、数値化し、見えるようにしました」。

そこで木下さんが行ったのが、「自動制御システム」の開発です。生育状況や天候など、ハウス内外の環境データに応じて、水や堆肥の供給量、湿度・温度を自動で調節できるようにするこのシステム、2000年当時も存在していたものの、導入している農家は一握り。ましてや自身で開発することは非常に珍しいことでした。

またこのハウス自体も、先輩生産者の協力のもと、木下さんが設計建築したもの。ハウスの中を見渡せば、手作りの温度センサーや雨どいなど、木下さんのアイデアがそこかしこにちりばめられています。

作業負担軽減のために発明した、こんなアイテムも
自動制御システム以外にはこんな発明品も。スイートピー農家に欠かせない作業道具、洗濯バサミです。スイートピーのつるをネットに固定するために、生産者は一日に何百もの洗濯バサミを開閉します。この作業の負担を軽減するため、木下さんは一般的な洗濯バサミに比べて軽い力で操作できるオリジナルの「ピーホルダー」を設計しました(写真手前)。素材は耐久性に優れたエンジニアリングプラスチックを採用。「日光や温度変化にも劣化しないので、就農から20年間使い続けることができるんです」。

贈る人、贈られる人に、よろこびを
木下さんがこの道に舵を切った理由は「人生の節目節目で、プレゼントとして贈る側にも、受け取る側にも喜んでもらえるもの」という、嗜好品としての花の存在に魅力を感じたからだそうです。

甘い香りとパステルカラーの可憐な姿。スイートピーの作り手の想いと工夫を知ると、この花のことをよりいとおしく感じるようになります。
(取材:2019年11月)


PRODUCER’S DATA

生産者画像

JA晴れの国岡山
(岡山県)

温暖な気候と南向きの斜面を利用し、15軒の農家がオリジナル品種を含む44種類のスイートピーを栽培、11月~4月にかけて、年間約1000万本のスイートピーを国内外に出荷している。

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