キリスト教圏の国では、クリスマスの4つ前の日曜日から「アドヴェント(待降節)」が始まります。キリストの誕生を待ちわびるこの期間が、クリスマスの準備期間。この日を境に、街並みも家の中も少しずつクリスマスの装いへと変わっていきます。さあ、特別なクリスマスの準備を。
「永遠の幸福」を願うリース
第1アドヴェント前になると花屋のウィンドウには様々なリースが飾られ、人々は街を練り歩きながら今年のリースを選ぶそうです。ウェルカムリースとしてドアにかけたり、天井から水平に吊るしたり、キャンドルと共にテーブルに置いたり。新年の幸福を願いながら飾るといいます。
フレッシュリースの手作りは、少し時間がかかります。でもその時間はきっと、慌しい年の瀬を前に、自分と向き合う時間になるはず。針葉樹の澄んだ香りに心を落ち着かせながら、丁寧にじっくり作り上げましょう。
レシピ
■使用するもの(完成リース直径約25cm)
[土台]
・ヒムロ杉・・・5本
・コニファー ブルーアイス・・・5本
・木製のリース台
・コーティングワイヤー26番(今回は「R.C.ワイヤー #26」を使用)
[飾り]
・ヤシャ(枝)・・・1本
・ブラウンコットン・・・1本(2個)
・ノンコーティングワイヤー24番
ヒムロ杉とコニファーはひと枝のボリュームによって本数を調整してください。
グリーンは5~10cm程度に切り分けておきます。小さいパーツを少しずつつけていくのが、もこもこのリースを作るコツ。切り分ける時は枝の下の方から、枝分かれの位置でカットしていくと上手に分けられます。
作り方はこちら
ポイント
【ポイント①グリーンのつけ方】
グリーンはドライになると少し細くなるので、たっぷり使って、もこもこに仕上げます。側面が薄くなりがちなので、リースの外側⇒真ん中⇒内側の順でグリーンをつけると全体のボリュームが均一に。ワイヤーも1回巻くごとに強く引っ張り、きつく締めましょう。グリーンの先端が時を刻む方向に向くことで「永遠」の意味を表します。また時計回りの構図が人の目になじみやすいとも言われています。
【ポイント②巻き終わり】
巻き始めのグリーンの下のリース台を覆っていきます。最初のグリーンを持ち上げて、下に挿し込むように残りのグリーンを入れていくと境目が薄くならず、まさに終わりも始まりもない見た目に。
【ポイント③飾りつけ】
枝はリースの丸みに沿わせすぎず、端が少し飛び出すくらいのしなりがナチュラル。コットンや松かさなど丸い飾りは、根元にくくったワイヤーをリースに貫通させると置きたい位置に留めやすくなります。裏側でリース台と固定したら、リースを表に返して角度を調整しましょう。
本場ヨーロッパでは、枝だけでリースを作ることもあるそう。今回は「ヤシャ」という実付きの枝を飾りに使い、シンプルに仕上げました。
松かさやリンゴもそうですが、実ものは「収穫の象徴」でもあります。クリスマスリースは、そんな風に素材ひとつひとつにも意味が込められた、幸福への祈りを寄せた特別なもの。
当たり前に毎日が続くこと、当たり前に誰かがそばにいてくれること―それは当たり前ではない幸福です。喜びと希望に満ちた新たな幕開けは、もう目の前。来年も、これからも、「幸福な毎日」が終わりなく皆様のもとに訪れますように。
We Wish You a Merry Christmas!