立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花―。美しい女性を形容する言葉としても古くからなじみ深いシャクヤクは、5 月から6 月にかけて旬を迎えます。通年楽しめる花も増えてきたなか、ほんの短い期間しか出回らないため、毎年この季節を心待ちにしている熱狂的ファンも多い花です。
【Japanese name】シャクヤク(芍薬)
【English name】Peony
【Scientific name】Peonia lactiflora
【Family・genius】ボタン科・ボタン属
【Origin】中国北部、朝鮮半島
【Flower Language】はじらい、はにかみ
シャクヤクのリレー
まずは西日本のものから入荷がはじまり、長野、新潟、北海道と寒冷地のものへ。リレーのようにタスキがつなげられて、店頭では約1 カ月半楽しむことができます。特に長野県JA 中野市はシャクヤクの生産量日本一として知られています。
黄泉の国の帝王も治した万能薬!?
英名PEONY は、ギリシャ神話で医術の神paeon(ペオン)が、オリンポス山から採ってきたシャクヤクの根で黄泉の国の国王の傷を治したことから。漢方薬でも極めて重要な植物とされています。
歴史に残る美女も愛した花
絶世の美女として語り継がれる女性、小野小町がもっとも愛した花がシャクヤクだったとか。小町に想いを寄せる深草少将との物語「百夜(ももよ)通い伝説」にもシャクヤクが深く関わっています。
実は…香りの代名詞
実は香水にもなるほど、香りもたおやか。フランスではしなやかで爽やかな香りのワインを「シャクヤクのような香り(Le parfum tel que la piovoine)」と表現するそう。