国産あじさいの一大生産地

伊豆大島/東京都


2018.06.01 UP

梅雨の長雨を傘で受けながら、思いを馳せるのは、あじさい。気分が下がりがちな日々を、いとおしい出会いの季節に変える魔法の花です。4月の下旬~6月頃の店頭で凛と佇むあじさいのほとんどは、東京・大島で生産されています。竹芝港から高速船で約2時間、名産の椿をはじめさまざまな植物が育つ伊豆大島を訪れました。
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あじさいを育む、島と人
肌を撫でる風や踏みしめる土から、南の島の香り漂う大島。この温暖な気候と水含みのよい柔らかな土壌が、繊細で奥ゆかしい大島のあじさいを育んでいます。暖かな大島にあじさいが咲き始めるのは4月下旬頃。白色品種から始まって、ブルー、パープル、ピンクとリレー形式に品種を繋いでいき、6月には旬の終わりを迎えます。取材に訪れた5月半ばは、ブルーのあじさいが少しずつ色を乗せはじめた時期でした。
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大島のあじさいは、華奢で控えめな花姿です。島を案内してくださった小坂さんは、あえて、小輪を選んで出荷しているそう。その理由は、「1輪で飾るには、小輪の方が美しいから」。お客様の元でどう飾られるか、どうしたらいちばん美しく楽しんでもらえるか―目の前のあじさいと、その先のお客様に、まっすぐ向き合い考える小坂さんです。
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御年88歳の小坂さん。島内に5つの畑を持ち、あじさい、ワックスフラワー、ローズマリーなどを栽培。2017年は、1シーズン(5月~6月)で約1万本のあじさいを出荷したそう。

「まだまだ全部勉強よ」と笑う生涯現役の小坂さんですが、大島のあじさい生産は、小坂さんたちの代で終わると言われています。若い方でも80歳前後、最高齢は92歳という生産者さんたちに、後継ぎはいません。
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「大島 カメリア」代表・辻さん(80)。島全体に茂る防風林の中に各生産者さんの畑が広がっています。

この島であじさい生産の代表を担う辻さん。
「茎の細さはこのくらいなら大丈夫かな?他より頭が大きい品種なんだけど、使える?」
大ベテランになっても、より良い花、より良い作りを目指し続けています。
ベテランの技術は、水揚げにも
大島から市場へは、茎に水をつけない乾式輸送で出荷されます。水下がりしやすいあじさいが乾式に耐えられる秘密は、花を知り尽くした生産者さんならではの水揚げ法にありました。採花したあじさいを、まずは大きなオケにじゃぶじゃぶ浸けます。全身に水を浴びさせたら、翌日は丸一日水揚げ日。オケの口で花頭をきゅっと持ち上げるように置いておくことで、きちんと水が上がるそうです。
「家でも、水が下がったら一回ドボンと浸けてごらん、水が上がるよ」。
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10cm程度の小ぶりな頭と、優しく色づいたブルーやピンク。淑やかな美しさを湛える大島のあじさいに出会えるのは、6月まで。豊かな土地と熟練の生産者さんに愛されて育った花を、今度は自宅で、たっぷりと愛でましょう。

PRODUCER’S DATA

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伊豆大島
(東京都大島町)

伊豆諸島最大の面積を誇る大島。名産の椿のみならず、あじさい、クチナシ、ワックスフラワー、ローズマリー、ランなど様々な植物が栽培されている。年間平均18度と温暖な気候ゆえ、あじさいの開花が早く出荷時期は4月下旬~6月頃。大島のあじさいは、茎の細い小輪の花姿が特徴。

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