“バラ男爵”が手がける、オリジナルローズ
MIWA ROSE FACTORY/愛知県
- 秋バラのシーズン。愛知県一宮市にある「MIWA ROSE FACTORY」をたずねました。代表はかつての私たちのパートナーで、バラ男爵とも呼ばれる三輪真太郎(みわしんたろう)さん。花屋で得た経験を生かし、日持ちのよいバラ作りに真剣に取り組んでいる三輪さんにお話を伺いました。
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- 三輪真太郎さんが秋バラの魅力を教えてくれました。
「春のバラは大地の生命力をうけて、華やかに勢いよく咲きます。比べて秋のバラは、夏の高温でやや疲れが出てきますが、樹全体も秋になると落ち着いてきます。昼間の気温はまだ暖かく、夜の温度は徐々に下がるため、昼夜の温度差が出てきます。これが花色の発色をぐんとよくするのです。花色なら春よりも、秋のほうが美しいくらいですよ」と三輪さんは話します。昼夜の気温差がバラの色艶を、より美しくするのです。
- もっといいバラをお客様に届けたい。
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実は、過去に青山フラワーマーケット本社で4年ほど働いていたという経歴を持つ三輪さん。社内では花の日持ちや鮮度などの品質管理に取り組んでおり、生産しているバラについてはもちろん、他の花も、どんな花がお客様のもとで美しさが長く続くのか、より長く飾ってもらうために花屋は何ができるのかを考え、たくさんの花と真剣に向き合っていました。このときの全国から届く他産地のバラと接した経験が、生産者として何よりも大きかったと語ります。「生産者として、見た目の美しさだけでなく、長く楽しめて、しっかり咲ききるバラをお客様に届けたいんです」。そんな強い想いを持ってバラ作りに取り組んでいます。
- この秋、青山フラワーマーケットオリジナルローズがデビュー
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三輪さんはお父さんの代から個性的で生産しにくいと言われる品種に取り組み、400坪の温室で多品種栽培を行っています。「大規模な生産者じゃないから、特色を出すために、色々と導入していますよ」と笑います。
数多くのバラのなかから、私たちが楽しみにしていたのは、青山フラワーマーケットのオリジナルのバラ。この秋、デビューのオリジナルローズを三輪さんが栽培しているのです。ミルキーホワイトにほんのりピンクがかった独特な花色で、花形は丸くふわりとした優しい雰囲気の品種です。「花が全開になると、中心のおしべのピンク色が見えて可愛らしいですよ」と三輪さん。丸い蕾の姿から咲き終わりまで、チャーミングな花です。今年は試作程度の予定ですが、今後栽培本数を増やしていき、取り扱い店舗を増やしていく予定です。
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2年前に生産者に戻ってから、三輪さんはバラ以外にミモザやミント、ユーカリなどの栽培もはじめました。「バラのブーケに少しでもグリーンが入ることで、より魅力的なブーケになることを、青山フラワーマーケットで働いて気がつきました」というのがその理由のひとつだとか。秋バラの花色は11月に入るとより美しく、そして花も大きくなります。フレッシュなグリーンと合わせて、その美しさを堪能しましょう。
(取材:2019年9月)
PRODUCER’S DATA
MIWA ROSE FACTORY
(愛知県一宮市)
代表は三輪真太郎さん。父の代からバラ作りを手がけ35年以上。400坪の温室に25品種以上のバラを栽培。自らが生み出したオリジナル2品種、イングリッシュローズ6品種や他産地があまり生産しない品種を中心に栽培。MPS認証(花き日持ち品質管理認証制度)の取得や日々の管理の状況を記録するなど、徹底して高品質で日持ちのいいバラ作りに取り組んでいる。