紅葉から銀世界まで日本の美しい景色に見惚れる
自然にインスパイアされた「HIUCHI」の秋冬コレクション
日本の自然にインスパイアされた香港の陶芸家
デザイナーであり陶芸家であるグレース・トン(Grace Tong)が、日本の風景や心に残った記憶を作陶で表現するブランド「HIUCHI」。秋から冬にかけての自然に着想を得て誕生した花器たちは、見惚れるほどの美しさです。
そんな「HIUCHI」のAutumn&Winterコレクションの全ラインナップを取り揃えたポップアップショップが、2023年11/17(金)〜26(日)までフラワーベースギャラリーにオープン。今年3月に行われたSpring&Summerコレクションの発売以来、楽しみにしていた人も多い待望の開催です。
季節とともに飾る花が変われば似合う器も変わるため、今回も花選び、器選びのヒントとなる展示が満載。今が旬のダリアやマムは、紅葉を思わせるオレンジ、ピンクなどの暖色系の器に。また、フランネルフラワー、バラなどは、銀世界を彷彿とさせる白、グレーなどの寒色系の器にいけて、秋冬のシーズンを心ゆくまで楽しめる花合わせを提案します。
Autumn Collection
花や木々の葉が色づく夢のような景色が広がる
気温が下がるとともに花が色づき、山では木々の葉が赤や黄色に変わり、野山が美しい錦繡(きんしゅう)に染まる――霜月と呼ばれる季節の、夢のような景色にインスパイアされた秋のコレクション。国土の約7割が森林である日本は落葉樹の種類が多く、寒暖の差がある気候が生み出す色鮮やかな紅葉は、世界に類を見ない魅力に溢れています。その風景がデザイナーのグレースの心を動かし、今回紹介する作品に昇華されました。
富士山が夕日に照り輝く「秋の息吹」
雄大な姿で見る者を圧倒し魅了する日本の至宝、富士山。「秋の息吹」には富士の神々しい美が見事に表されています。
マットな赤土は火山の大地を、流れる濃紺の釉薬は深い湖の底を思わせ、その水面に映る富士は初秋の夕日に染まる――そこに真っ赤な太陽を彷彿とさせるケイトウや、光が放射しているようなスパイラル咲きのマムをいければ、絶景が目の前に!「赤富士」と呼ばれ、葛飾北斎の浮世絵にも描かれた風景が室内に出現します。
富士の裾野をイメージした左右シンメトリーのフォルム。赤や紫、ブルーが溶け合い、次第に深まっていく色彩は、夕焼けから漆黒の夜に向かい刻々と変化する様を眺めている気分にさせられます。
大輪の花をロマンティックに彩る「ダリアの夢」
咲き誇る大輪の花が見る人をうっとりと惹きつけ、圧巻の存在感を放つダリアは、まさに花の女王。中南米原産ながら、「天笠牡丹」の名前で江戸時代から親しまれてきました。
近年、暑さに弱いダリアは夏を静かに過ごし、涼しくなってくると華やかに開花します。グレースはその姿に、「夢見ながら目覚めを待つ」というロマンティックなストーリーを見出しました。眠っていた蕾が女王として開花するまでを具現化した器には、もちろん今が旬のダリアをいけて。赤やピンク、黄色、オレンジなど極彩色の花色を彩り、さらなる幸福感を生み出します。
ふっくらとした蕾を象ったフェミニンなシルエット。マットなホワイトの土に、黄色、ピンク、オレンジなどの釉薬を用い、鮮やかな色を幾重にも重ねて、ダリアの開花を写し出しました。
木々の葉が赤や黄色に染まり山粧う 「秋の森」
朝夕の冷え込みが厳しくなり、暖房が恋しくなる季節。葉が緑から赤や黄色に染まる自然の姿は、まるで地球が山に施したお化粧のようです。
繊細な色彩とタッチが水彩画を彷彿とさせる「秋の森」は、みずみずしい緑と紅のコントラストに心を奪われます。寒色と暖色、異なる表情を合わせ持つこの花器には、自然に感謝しながら野の枝や実ものなどをさりげなく飾りたくなります。
「HIUCHI」の花器は、グレースが手作業で一つずつ丁寧に仕上げていく伝統的工芸品。間近に見たときの優しい色合いや柔らかな表情に心が癒されます。
Winter Collection
凛とした冬の空気感と静寂な世界
季節はさらに進み、木々は枯れ、静寂に包まれた世界へ。雪の降らない香港在住の作家が、銀世界への憧憬をいだきながら作り上げた冬のコレクションは、凛とした冷たさを与えるグレーや白に、鮮やかなブルー、あたたかなピンクなどのカラーパレット。
モノトーンの花を合わせると、静けさの中に生命力を併せ持つ、そんな自然の厳しさと優しさに気づかせてくれます。
幹と枝だけの姿の中にも秘めた生命力を感じる「枯木華」
秋に目を楽しませてくれた紅葉を過ぎれば葉は落ち、樹形がはっきりと現れます。森の中に幹と枝が浮かび上がる様は、さながら楽しげに踊る木々のダンス。冬枯れのうちにも、春に向けて秘めた生命力と華やぎが感じられます。
ベージュやオリーブグリーンを基調とした花器には、ナンキンハゼやユーフォルビアをいけて冬のモノトーンのスタイルに。色の対比が美しく、また、厚手のぽってりとしたフォルムと土そのものの質感が、あたたかな表情を生み出します。
マットな白土をベースに、ベージュ、オリーブグリーンのグラデーションで木目調に。表情豊かな質感と色彩が冬の植物を優しく包み込みます。
時間が止まったかのような美しさを見せる「凝」
本格的なウィンターシーズンを迎え、湖が凍るほどの寒さになると出現する氷結。流れる水が周りの空気とともに氷になってしまう様子は、時間が止まったかのような美しさを見せます。幻想的な氷の世界を再現したこの作品も、グレースがかつて訪れた日本の風景が源流にあります。
ベースは凍土をイメージした黒土。水が氷へと変化していく自然現象を切り取った色調とデザイン。
きらめく雪の結晶をモチーフにした「雪の妖精」
空から舞い降りる雪が肩に落ち、儚く消えていく――「雪の妖精」はひとつとして同じ形はない雪の結晶をモチーフに誕生。ジュエリーのように輝く雪の結晶に、さらに光が透過して変化する幻想的なシーンを淡い色調のブルーや紫で描いています。エレガントな存在感を放つ花器には、バラやフランネルフラワーを優雅に飾って。
口元に設けた受け皿に注がれたガラス釉と、大胆に入れたクラックで氷に見せる斬新なデザイン。光があたってきらめく多様な魅力を堪能できます。
Autumn&Winterコレクションの発売を記念して、11月17日(金)~19日(日)の会期中は香港からグレースも来日します(※いずれも13時〜17時。在廊日程は変更する可能性があります。詳細はお問い合わせください。)
デザイナー本人による花器のレクチャーや制作秘話など、ポップアップショップでしかできない体験に、ぜひ足を運んで。
また、インスタグラムライブも配信!デザイナーのグレースとフラワーベースギャラリー担当で、作品について語ります。17日(金)20時からはフラワーベースギャラリーアカウント、18日(土)20時からはHIUCHIアカウントよりお届けします。
Instagramアカウント:フラワーベースギャラリー(@flower_vase_gallery)、HIUCHI(@hiuchi_art)
「HIUCHI」ポップアップストア情報
フラワーベースギャラリー
青山フラワーマーケット 南青山本店 2階
ポップアップストア開催期間:
2023年11月17日(金)~11月26日(日)
デザイナー来日予定:
11月17日(金)~19日(日)13時~17時
住所:
東京都港区南青山5丁目4-41グラッセリア青山2階
営業時間:
月~土 10:00~20:00/日・祝 10:00~19:00
電話番号:
03-3486-8787