JA 中野市のシャクヤク

希少な香りの品種を栽培 

チャコ農園

スイートピーと関わりが深い都道府県といえば、まずは産地として広く知られる宮崎県。国内流通量50%を占め、全国一の生産量です。そしてもうひとつ、深い関わりがあるのが神奈川県。実は湘南エリアは“スイートピー発祥の地”なのです。神奈川県・茅ヶ崎市で、数少ない香りの品種を栽培している「チャコ農園」を訪ねました。

神奈川県・湘南で、スイートピー切花栽培が始まった
スイートピーは17世紀にイタリアで野生種が発見され、日本に渡ってきた時期は江戸末期とされています。その後、明治末期に日本で初めて商業的な露地栽培が始まった場所が神奈川県三浦半島。昭和初期に同県寒川町、茅ヶ崎市、海老名市で温室栽培が始まりました。
冬にも晴天に恵まれる温暖な気候と相模川に育まれた肥沃な土壌がスイートピー生産に適していたほか、当時は日もちが短かった為、消費地である都に近接し輸送条件に恵まれていたことから神奈川県でスイートピー生産が発展しました。
「スイートピンク」をはじめとした、数少ない香りの品種を生産
発祥の地で、スイートピーを栽培するチャコ農園。その特徴を一言で表すと、「香りのスイートピーを栽培する数少ない生産者さん」です。「すべてに香りがあるのでは?」と不思議に思いますが、現在の流通品種の約8割は“ごくわずかな香り”に分類されます。元々、“芳香性のある花”でしたが、品種改良で多彩な色やボリュームのある花姿になった反面、香りは薄くなったのです。現在、強い香りを楽しめる代表的品種は「スイートピンク」「スイートスノー」。神奈川県農業技術センターが育種した同県オリジナル品種で、チャコ農園は試験栽培から携わる第一人者です。
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神奈川県オリジナル品種をメインに、オリジナリティーを
奥さんの寿子さんが手渡してくれたスイートピンクは、通常のスイートピーの5倍くらい香りました。「生産効率は良くないんだけど、この香りの虜になっちゃって。皇后・美智子様に献上して、別名“ロイヤルミチコ”とも呼ばれているの」。チャーミングな笑顔から、スイートピーへの愛情が溢れています。 神奈川県では1987年から育種試験を開始し、現在オリジナル品種は10種類。同園では、その多くを栽培。自ら育種する農家が多い中、「県が育種に力を入れているのでそれを育てようと。うちを覚えてもらう為の差別化になると思っています」(武基さん)
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チャコ農園のスイートピー最盛期は2〜3月
8月に冷蔵庫で種を発芽させ、暑さがやわらぐ9月に畑に移植。11月から花芽をつけ始め、採種して落ち着くのは6月頃。蔓性で成長が早く一気に人の背丈を超えるものを目線の高さまで下ろす作業、脇芽をとる作業など、細かな作業が多く生産にかかる労働時間はバラの3倍ともいわれます。「太陽が大好きで3日曇天が続くと蕾が落ちてしまったり、すごく気難しいし苦労もたくさんあるけど、スイートピーっていいよねって言ってもらえると嬉しくて」(寿子さん)。香りの品種の最盛期は一般的なスイートピーより少し遅い2〜3月。チャコ農園のスイートピーが届くのが楽しみです。
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チャコ農園

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神奈川県・茅ヶ崎市で、川口武基さん、寿子さん夫妻が2人で営む個撰農家。もともとは寿子さんのご実家が営むトマト農園だったが、30年前からスイートピー栽培を始め同園の主要な生産物に。商品化前の試験栽培にも積極的に協力し、現在は試験中も含めて約12品種を栽培。神奈川県オリジナル品種をはじめ、香りの良い品種に定評がありファンも多い。「チャコ」は寿子さんのニックネーム。