産地直送 Aoyama DIRECT 摘んでから、まっすぐお客様のもとへ。生産者レポート PRODUCER'S REPORT

お正月の定番 松かさと松

山本

松かさと松の生産者、山本農園さんがあるのは、茨城県の沿岸にある神栖市。
山本さんを訪れたのは、ギラギラとした太陽が照りつける8月。山本さんのご自宅の横に建てられた作業場では、パートの"おかあさん"たちが、松 かさの出荷準備を進めていました。

ひと手間、ふた手間かけた松かさ

青山フラワーマーケットでは定番アイテムとなった松かさ。昨年は、12万個を越える松かさがお店にやってきました。
「松の下に落ちているものをかき集めてるだけでしょ?」なんて思っていませんか? 私たちが取り扱っている松かさは、"公園に落ちてるもの"とは、似て非なるもの。「枝についている緑色の状態のときに、ひとつひとつ手で摘み取っていきます。それを1年かけて天日干しにして乾燥させ、その中から形の整った、使いやすいサイズのものだけを出荷しているんです」。

枝についている茶色の松かさや落ちてしまった松かさは、雨風にさらされ、黒に近いくすんだ硬質の灰色になってしまいます。ところが、緑色の状態で摘み取り、1年という長い時間をかけてじっくり太陽に当てることで、ぬくもりのある茶色が乗り、しっかりとした松かさに仕上がるのです。
決して主役になることのない松かさ。でも、こういった作業の積み重ねが、花をより美しく見せる、欠かせないアイテムになるのです。 作り手の想いとこだわりが込められた松かさにも、ぜひ注目してみてください。
生産者レポート画像生産者レポート画像

5年分の想いがつまった「松」

山本農園さんの主力はなんといっても、松。日本庭園でよく目にする、あの立派な松とはもちろん同じものなのですが、店頭で取り扱うものは、規格をそろえるために、種から育てています。といっても、ほかの切花のように、数ヵ月、1年周期で育てているわけではありません。2017年のお正月に私たちに届くものは、2012年に種をまいた松、つまり5年の歳月を経て、やっと届くものもあります。

山本さんが最初に見せてくださった畑には、5月に種まきをして、3ヵ月ちょっとが経過した3cmほどの小さな小さな松が、まるで芝生のように地面をうっすらとグリーンに染めていました。「5年という長い時間の中で、もっとも大切で目を配るのが、この1年。 たっぷりの水と太陽の光を浴びて、強い根と茎を作らなければならないのです」。

ちなみに、この畑は"1年生専用"。つまり、種まきから苗に育つまでの時間をこの畑で過ごし、来年の春には、1本ずつ丁寧に抜き取り、別の畑に移動させるのだそうです。
生産者レポート画像生産者レポート画像
2年目、15cmほど。3年目、30〜40cm。4年目、60cm〜90cm。そして、5年目には、1mを超える大きさに成長していきます。
露地で栽培される植物は、自然の影響を受けやすいのが難点。日照時間が長くなると葉の先が黄色く焼けてしまったり、逆に雨が続きすぎると、葉が間延びしてバランスが悪くなってしまうのです。5年という長いスパンで栽培するからこそ、ひとつのダメージが生育に大きく影響してしまうこともあるのだそう。「2年、3年と順調に育っても、出荷を控えた秋に台風でやられてしまうこともあります。長い時間と愛情をかけて育ててきた松が、ベストな状態で出荷できるか、最後まで気を許すことはできないのです」。

5年もの間、山本さんの愛情を一心に受けてすくすくと育った松が、いよいよ登場します。力強さと温かさのある松で、新しい年を迎えましょう。

生産者画像

PRODUCER'S
DATA

山本岩雄(IWAO YAMAMOTO)

山本農園
地図

茨城県神栖市にて、松の栽培を続けて約30年。お正月には欠かせない門松、若松、からげ松等を5年の歳月をかけて育てる。火の鳥、鳳凰、富士の雪などオリジナル品種の開発に取り組むなど、松の可能性を追求している。
2011年、東日本大震災では、液状化現象による畑の地割れなどの被害も受けたが、それを乗り越え、今年も出荷の季節をむかえる。